ブログ

blog

ブログ記事詳細

公正証書に種類はある?作成するメリットや手順も紹介

2022年10月09日ブログ

売買契約や遺言などは、公証人によって証明してもらっておくことで、法的な効力が有効になります。
公証人の証明がない書面というのは法的効力がないため、トラブルになった場合は民事裁判など法廷で争わなければなりません。

公正証書は、不要な紛争を未然に防ぐことができる大事な証書になるので、契約を結ぶ際には必ず残しておく必要があります。

ここでは、内容によって異なる公正証書の種類や作成するメリット、作成手順を紹介していきます。

公正証書に種類はある?作成するメリットや手順も紹介

公正証書はどんな証書?

公正証書とは、法務大臣が任命した「公証人」が作成する文言で、公証人法に基づいて作られています。
公証人は、裁判官や検察官など法律関係の仕事に長年就いている、法律のスペシャリストから選出されるので、公正証書には執行力があるのはもちろん、証明力にも優れています。

そのため、契約内容に関して双方の意見が食い違ったり、取り決め内容を勝手に変更したりした場合は、速やかに解決することができるのです。

公正証書の種類について

公正証書には、金銭の貸し借りや遺言、扶養に関することなど、契約内容によってさまざまな種類があるのでチェックしておきましょう。

公正証書の種類内容
遺言公正証書財産の処分方法や分与に関する定め
扶養契約公正証書親子もしくは兄弟、扶養義務者の扶養内容や分担割合に関する契約
金銭消費貸借契約公正証書金銭の貸し借りに関する契約
債務弁済契約公正証書債務の支払い方法に関する契約
不動産売買契約公正証書不動産売買に関する契約
提起賃貸契約公正証書定期賃貸借に関する証書
抵当権設定契約公正証書不動産担保の融資などの契約で作成される証書
尊厳死宣言公正証書延命措置をせず、自然死を希望する意思表示
死因贈与契約公正証書死亡した場合、無償で財産を他人に贈与する契約
事実実験公正証書公証人立ち会いのもと、内容をそのまま公正証書にする

上記以外にも種類があるので、何らかの契約を結ぶ際には公正証書が作成できるか確認しておくことをおすすめします。

公正証書を作成するメリットとは

公正証書のメリットは3つ挙げられるので、確認しておきましょう。

証明力がある

公正証書を作成する公証人は、法務大臣の認定を受けた法律家です。
そのため、公証人が作成したものは公文書と推定されるのはもちろん、法令上の違法性や不備がないかの確認もされています。

つまり、形式的証拠能力と実質的証拠力など証明力があると認められているのです。
もし、「改ざんしている」「無理に署名させられた」などの反論を受けても、法的な証明力があるので、記載されている内容が「正しい」という判断になります。

偽造などの心配がない

公正証書は、公証役場で保管されるので、偽造などの心配がありません。
当事者には謄本が交付されますが、原本となる証書は20年間保管されるため、万が一盗まれたり紛失したりしても、その内容を変えることはできないのです。

執行力がある

公正証書の内容には執行力がある、というのもメリットです。
通常、契約違反があったとしても、民事裁判で勝訴しなければ強制執行できません。
しかし、証書の中に契約違反時の「強制執行認諾条項」を記載していれば、裁判をしなくても強制執行を行えるので、無駄な時間と手間をかけずにトラブルを解決できます。

公正証書を作成する手順

公正証書は、法律に則って作成する必要があるので、専門家に代理作成依頼をするのが一般的ですが、念の為作成する手順を知っておくと良いでしょう。

1 公証役場に連絡をして訪問する。その際に、担当の公証人を割り当ててもらう
2 担当公証人に作成したい証書の内容を伝えて、協議をする
3 希望する内容に沿って公証人が公正証書案を作成する
4 双方のスケジュールを合わせて作成日時を決め、必要書類を持参し、公正証書を作成する

作成の流れは上記のようになりますが、作成内容は細かく決めておく必要があります。
また、内容に関係する資料などの用意もあるので、専門家に相談してから作成依頼することをおすすめします。

公正証書作成に必要な書類

公正証書の作成には、書類が必要になります。
当事者が個人か法人か、もしくは代理人が作成するのかなど、パターンによって必要な書類は異なりますが、ここでは当事者が代理人に作成を依頼する際に必要な書類を紹介します。

1 代理人への委任状
2 当事者の印鑑証明書
3 確認資料(いずれか1セット)
・住民基本台帳カードと認印(写真付)
・印鑑証明書と実印
・マイナンバーカードと認印
・運転免許証と認印
・パスポートと認印
・障害者手帳と認印
・在留カードと認印

契約のトラブルは公正証書で防ごう

公正証書は専門家に作成を依頼しなければなりません。
また、作成のための費用もかかるので面倒に感じる方もいるでしょう。

しかし、契約の内容によっては、契約書を交わしていても法的効力が発生しないことがあります。遺言書も、いくら本人が作成したとしても、法律に則った内容でなければ無効となってしまいます。

契約関係のトラブルを解決するのは、証書を作成するよりお金も時間もかかるので、万が一に備えておきましょう。
橋本法務会計事務所では、公正証書に関するお悩みをいつでも受付けておりますので、お気軽にご相談ください。