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日本国籍を取得するには?帰化の申請方法や注意点について解説

2023年03月20日ブログ

外国籍を持つ外国人が、日本国民と同様に選挙権を取得したり、自由に転職や就職ができるようになったり、ビザの更新の手間をなくすためには、日本国籍を取得しなければなりません。

日本では、国籍を複数有することが法律によって禁じられているので、日本国籍の取得を希望する場合は母国の国籍を喪失する必要があります。

ここでは、日本国籍を取得するための「帰化」という方法について、詳しく解説していきます。

日本国籍を取得するには?帰化の申請方法や注意点について解説

日本国籍が取得できる「帰化」とは?

帰化というのは、日本国籍の取得を希望する外国籍の方に対し、国が許可をして国籍を与える制度のことです。
簡単にいうと、外国の方が日本の国籍を取得するのが「帰化」です。

国籍法第4条においては、帰化の許可は法務大臣が権限を持つとされており、許可された場合は官報にその旨が記載されることになっています。
また、官報に告示された日から効力が生じます。

帰化をすれば、ビザ無しで日本に永住できるのはもちろん、日本のパスポートが持てる、選挙権が得られる(成人の場合)、ローンが受けやすくなる、職業の選択肢が増えるなどさまざまなメリットがあります。

永住権との違いは?

帰化と似た制度に、「永住権」というものがあります。永住権も、外国の方が日本に永住できる権利ですが、「日本人」ではなく「外国人」となるためいろいろと縛りがあります。
例えば、帰化は日本の戸籍を取得できますが、永住権では自分の戸籍の取得ができません。

帰化した場合は「日本人」となるため、退去強制処分は適用されませんが、永住権の場合は適用されます。また、選挙権がないなどの違いもあります。

帰化をすれば日本国籍となるので、外国の方でも「日本人」と同じ扱いになりますが、永住権の場合は「外国人」として扱われるのが一番の違いです。

帰化の条件について

帰化の申請は、誰でもできるというものではありません。
申請をするには、条件を満たしている必要があるため、ご自身が条件をクリアしているか確認しておきましょう。

・申請時までに5年以上日本に住んでいる
・年齢が18歳以上で、母国の法律の成人年齢に達している
・素行不良がないこと
・自分もしくは配偶者、親族などの資産や技能により、生活に困らず暮らせる
・無国籍もしくは母国の国籍を喪失していること
・日本政府への破壊工作や反逆的主張をしない、もしくはそのような団体の結成や加入をしていない
・日常生活に支障のない程度の日本語能力がある

場合によっては条件が緩和される方もいますし、他に条件が課せられることもありますが、基本的には上記の条件を満たしていることが帰化申請の条件となります。

帰化の申請方法について

帰化の申請方法は、現在の住所を管轄している法務局(地方の場合は地方法務局)に出向いて、書面で申請します。

申請をするときには、必要な条件を満たしていることを証明する書類を添付しなければなりません。
また、帰化の許可が認められた場合は戸籍を作るため、身分証明書となる書類も提出します。

書類がきちんと揃っていればそれほど難しい申請ではありませんが、ちょっとした不備であっても間違いがあると帰化は許可されないので注意してください。
また申請者の身分や職業などによって必要な書類は異なるため事前に法務局に相談しましょう。

帰化をする際の注意点

帰化は、「日本人として生きていきたい」という方にとっては便利な制度ですが、注意点もあるのでチェックしておきましょう。

母国の国籍を取得できない

日本では、2重国籍が認められていないので、母国の国籍を取得することはできません。
何らかの要因で母国の国籍が必要になった場合、日本国籍を喪失すればいいと思うかもしれませんが、母国の国籍を取得するのは簡単ではないことを覚えておきましょう。

公的な支払いを滞納していないか

日本で生活をする場合、経済状況が審査されます。
そのため、公共料金や保険料の支払いなどを滞納した場合、許可が下りない可能性が高くなるので、滞納している方は注意してください。

審査には面接もある

日本政府に危険を及ぼしたり、日本に不利益をもたらしたりする人物でないかを判断するため、審査では面接も行われます。
面接では人物像だけでなく、仕事の状況や婚姻関係、生活状況なども調査をされるので、審査官に正しく現状を伝えなければなりません。

誤解されるようなことを言ってしまうと審査が通らないので、事前に弁護士や会計事務所など専門家の指導を受けておきましょう。

安心して日本で暮らすには帰化をするのが一番!

外国籍であっても、ビザを更新したり永住権を持っていたりすれば、日本で不自由なく生活できます。
しかし、無職になってしまうと就労ビザでは日本に滞在できませんし、永住権があっても選挙に参加できないことで、外国人が住みにくい社会になってしまうかもしれません。

日本で快適かつ安心して暮らすには、帰化をするのがもっともベストな方法です。
ただし、帰化は要件を満たすのは難しく、申請手続きも複雑でわかりづらいので、日本国籍の取得に関するお悩みは橋本法務会計事務所へご相談ください。