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二次相続とは?一次相続との違いや有効な対策について
2023年02月11日ブログ
被相続人としては、相続人に対してできる限り税金の負担がかからないようにしておきたいと思うのではないでしょうか。
譲り受ける財産に対する節税対策方法は、いろいろあるので実践している方も多いかもしれません。
しかし、二次相続のことまで考慮しておかないと、税負担額が大きくなってしまうことがあるので注意しましょう。
ここでは、盲点になりがちな二次相続について、有効な対策も交えて解説していきます。
二次相続とは?
配偶者など最初に相続人になった人が亡くなった場合、その人が譲り受けたものは次の相続人に引き継がれます。
例えば、父母と子ども1人の家庭で、父親が亡くなって母親が相続人となり財産を受け取りますが、母親がすぐに亡くなってしまったら子どもが全ての財産を引き継ぐことになります。
これが二次相続というもので、簡単に言うと一次相続後に生じる相続のことをいいます。
二次相続と一次相続の違いについて
二次相続と一次相続の違いは、配偶者が受けられる減税軽減が使えないことです。
配偶者が相続人となっている一次相続であれば税額軽減が受けられるので、申告をすることで1億6,000万円までもしくは法定相続分相当額まで税金が免除されます。
「軽減」とは言え、高額な財産への税負担がなくなります。
一方、二次相続の場合は配偶者税額負担軽減が受けられません。
そのため、例えば一次相続で1億6,000万円を受け取った配偶者が亡くなり、1億5,000万円の財産を受け取る際にはこの金額に対して相続税がかかってしまうのです。
また、二次相続の場合は一次相続より相続人の数が減ってしまい、基礎控除も減額されてしまい税金が高くなってしまうという違いもあるので、事前の対策が必要になるのです。
二次相続への有効対策を紹介
何も対策をしないままでは、相続人は大きな税負担を強いられることになってしまいます。
税金に対しては、負担を軽減できる対策があるので、今からできることは準備しておきましょう。
住宅は子どもへ相続する
住宅は子どもに贈与をすることで、相続税評価額を減額する「小規模宅地等の特例」制度を利用できます。
この制度は、相続税評価額が80%も減額されますし、相続の際の負担もありません。
ただし、この特例を利用する場合は両親と同居していなければならないので、特に評価額が高い家は家族で話し合っておきましょう。
財産を現金化する
一次相続で取得した財産は、できる限り現金化しておくのがベストです。
税金は現金払いとなっているので、株券や土地、建物などを二次相続で取得する際、納税資金がないという問題が発生することがあります。
しかし、事前に現金化をしておけば納税に困ることはありません。
一次相続の財産取得金額をコントロールする
現金の財産がある場合は、一次相続の取得金額を相続人同士でコントロールすることで税負担を減らせます。
配偶者と子どもで現金の財産を分配する場合、配偶者控除があることから、配偶者が100%受け取ってしまうというケースが多いのですが、これでは二次の際に多額の税金がかかってしまいます。
しかし、子どもの方にも分配をしておけば、税金を減らせるのです。
シミュレーション
対策をしなかった場合 | ||
遺産の総額 | 一次相続 | 二次相続 |
配偶者100% | 子ども100% | |
子ども 0% | ||
5,000万円 | 0円 | 160万円 |
1億円 | 0円 | 1,220万円 |
対策をした場合 | ||
遺産の総額 | 一次相続 | 二次相続 |
配偶者50% | 子ども100% | |
子ども50% | ||
5,000万円 | 40万円 | 0円 |
1億円 | 385万円 | 160万円 |
上記のシミュレーションを見れば分るように、対策をしなかった場合は対策をした場合よりも高額な税金を支払うことになるのです。
相次相続控除の優待規定を活用する
一次相続から二次相続までの期間が10年以内であれば、相次相続控除という優待規定が活用できます。
これは、一次で負担した税金の一部を二次の税額から控除するという制度なので、条件に合っていれば必ず活用してください。
二次相続を視野に入れた相続計画の立て方
実際のところ、二次相続が起こるかどうかは分りません。
また、二次相続が発生するときの状況もさまざまなので、何をすればいいか分らないという方も多いでしょう。
そこで、ここでは相続計画の立て方を紹介します。
早めに生前贈与を始める
毎年、110万円までであれば贈与税がかからないので、この基礎控除を活用して生前贈与を始めましょう。
ただし、定期贈与になってしまうと1,000万円単位で税金がかかってしまうので、「今年は100万円、来年は103万円」というように贈与額や時期を変えながら贈与してください。
また、夫婦間であれば、土地家屋の贈与に対し2,000万円までの非課税枠があるので、該当する方は活用しましょう。
生命保険の非課税枠を利用する
保険金というのはみなし相続財産になるため課税対象となっていますが、死亡保険金に対しては「法定相続人の数×500万円」の非課税枠があります。
つまり、被相続人が生命保険に加入しておけば、非課税枠を利用して税金の負担を軽減できるので必ず加入しておきましょう。
二次相続で損しないためには事前対策が大切!
一次相続の段階で節税対策をしておけば安心、と思う方もいるかもしれませんが、二次相続のときでも税金は発生しますし、一次よりも負担額は大きくなることがあります。
家族のために残した財産なのに、子どもの代に税負担を強いることになってしまっては財産の意味がなくなってしまいます。
二次相続はどんな家庭にも起こりえる可能性があるので、事前にしっかり対策を講じておくことが重要です。
しかし、専門知識がないと有効な対策を取るのは難しいので、二次相続に関するお悩みは橋本法務会計事務所へご相談ください。